2021年2月17日水曜日

火曜日の詩「君を好きになる」を公開しました

毎週火曜日22時公開の「火曜日の詩」。17週目までやってまいりました。今回朗読しているのも新作です。「君を好きになる」という詩です。

「好きになる」というのは力のある感情で、いっぽうでまた、寄りかかる、あてにする、欲求の対象とする、といったようなこととは似て非なるものです。本来、「好きになる」というのは、自分自身を救ってくれることだと思います。

そしてまた、世の中にはいろんな「好きになる」があります。人を好きになる、モノや概念を好きになる、自分が一生懸命やっている何かを好きになる。そういうことを思って詩を書いてみました。良かったらご覧ください。



テキスト全文はこちらです。

「君を好きになる」

空を見上げてから、足元を見下ろしたかったことに気づくとき
君をもっと好きになる

いつだって嵐は来るのに、雨は降ってくれないように感じるとき
頭は君でいっぱいになる

毎日聴いていたのに、いつのまにか忘れてしまっていた歌を思い出したとき
君にその話をしたくなる

街中でうつむく人の列があまりにも灰色過ぎて、ペンキをかけたくなるとき
歯を磨く君の姿がよぎる

窓枠の上で、小さな小さな二つの国が戦争をする夢から覚めたとき
君に手をのばす

次の朝が来ないかもしれないと考えるとき
君を好きになる

次の朝が来てほしいと願うとき
君をもっと好きになる

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※メイツ出版より、「外来生物のきもち」発売中です。全国書店にてご購入・ご注文頂けます。


ISBN 9784780423365
C2045
定価 本体1600円+税

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