毎週火曜日22時公開の「火曜日の詩」。17週目までやってまいりました。今回朗読しているのも新作です。「君を好きになる」という詩です。
「好きになる」というのは力のある感情で、いっぽうでまた、寄りかかる、あてにする、欲求の対象とする、といったようなこととは似て非なるものです。本来、「好きになる」というのは、自分自身を救ってくれることだと思います。
そしてまた、世の中にはいろんな「好きになる」があります。人を好きになる、モノや概念を好きになる、自分が一生懸命やっている何かを好きになる。そういうことを思って詩を書いてみました。良かったらご覧ください。
テキスト全文はこちらです。
「君を好きになる」
空を見上げてから、足元を見下ろしたかったことに気づくとき
君をもっと好きになる
いつだって嵐は来るのに、雨は降ってくれないように感じるとき
頭は君でいっぱいになる
毎日聴いていたのに、いつのまにか忘れてしまっていた歌を思い出したとき
君にその話をしたくなる
街中でうつむく人の列があまりにも灰色過ぎて、ペンキをかけたくなるとき
歯を磨く君の姿がよぎる
窓枠の上で、小さな小さな二つの国が戦争をする夢から覚めたとき
君に手をのばす
次の朝が来ないかもしれないと考えるとき
君を好きになる
次の朝が来てほしいと願うとき
君をもっと好きになる
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