2018年10月22日月曜日

人、街。どうぶつのきもちポエトリー。

私は千葉市の美浜区に住んでいますが、3年ほど前まで、さらに奥地である、千葉市の中のアマゾンと呼ばれる若葉区というところに住んでいました。イタチ、ノウサギ、タヌキなどが徘徊し、最近ではイノシシも現れるというような土地です。

例えば渋谷でライヴがあったりしてここから出発するとすると、まずは千葉駅近辺までバスか車で40分。そこから電車を乗り継いで、トータルで2時間以上かけてやっと到着するわけです。

今回、大牟田大使の招請により、福岡県は大牟田市に向かったのですが、羽田から福岡までのフライトが1時間半ほど、そこから西鉄バスで大牟田までが1時間ちょっと。東京から大牟田に行くのって、実は千葉から東京の行くのと大差ないのだということを知りました。

そんな、遠いけど近い大牟田、大牟田市動物園で開催された『どうぶつのきもちポエトリー』。正直言って、参加者の皆様の詩と朗読に魂を揺さぶられました。

今回、「どうぶつのきもちになって」詩を作ってくださったのは、地元の小学校1年生から中学校3年生までの皆様だったのですが、言葉、姿、たたずまいに、(圧力ではない)人間の強さと、(虚勢ではない)勇気が満ちていたからです。

自分で朗読して下さった方々も、我々が代読した方々も、「詩を書いている自分」「朗読している自分」を見せようとするのではなく、「詩を書いて」「詩を読んで」いました。その姿は胸を打つものがありました。後ろの柵の上から、キリンが首を伸ばしてちゃんと聴き入っていたのはその証拠だと思います。気温が下がる中、参加者の皆様が示し続けた集中力も、また常ならぬものがありました。

大牟田の未来がポジティヴなものであることを、はっきり確信した夕べでした。全ての参加者の皆様、ご父兄、ご来場の皆様、動物園の皆様(動物たちの一つひとつの表情が、日頃、愛情を受けていることを物語っていたように感じられました)、お力とお心を注いでくださった大牟田市の全ての皆様、そして道山れいんさん、ジョーダン・スミスさん、本当にありがとうございました。

何か、映画の中を生きているような気がする今回の旅でした。街の魂は、人の魂でもあると思います。21日の朝、福岡空港に向かうバスを待ちながら、もう二週間ぐらい滞在したかったのです。

しかし、その日の夕方にはふるさと千葉で『千葉詩亭』。見たもの、感じたもの、考えたこと、数々の笑顔、握手した手の温かさなどを忘れずに自分の魂に刻もうと決め、一路、東を目指すのでした。

(ついでに、ラーメンの味と店名も忘れずに刻んだことは言うまでもありません)



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