2023年1月1日日曜日

元旦は大須賀山へ

 新年おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


今日は近所の神社に参拝がてら、足を伸ばして幕張の大須賀山というところまで歩いてきました。

房総往還沿いにある大須賀山は、前から一度行ってみたいと思っていた場所です。かつて、一族間の争いの末、下総の名族中の名族である千葉宗家を滅ぼし、その後討伐されて死んだ、馬加(まくわり→昔の幕張)康胤という戦国武将の首塚がある(とされている)ところで、色々と怪談めいた話も伝わっています。しかし、実際に登ってみると、非常に静かで穏やかな、良い雰囲気の場所です。標高20mほどの小さな台地ですが、人為的に整形してあり、土塁や虎口も残っており、往時、この山が城砦であったことをうかがわせます。一番高いところに方形の土盛りがあり、そこに五輪塔が建っていて、これが首塚であると言われているのですが、実は五輪塔自体の刻字にも同時代の古記録にも首塚のことは書かれておらず、本当のところはわかりません。現在の千葉街道がほぼ昔の海岸線ですから、この山は元来、海に面していたはずで、馬加氏の本城であった馬加城に関連する監視所あるいは狼煙台のような役割を果たしていたのではないでしょうか。

山の植生も、海岸林そのもので興味深いものがあります。陽だまりでは、千葉市ではめったに見かけることのないオオツノカメムシが、そっと越冬していました。



2022年10月3日月曜日

10月16日「千葉詩亭・第七十五回」

プロ野球は時あたかも両リーグ優勝チームが決まったところ。10月16日の「千葉詩亭・第七十五回」には、野球詩人・佐藤yuupopicさんをゲストにお迎えしております。



明るいとは言えない世の中です。おかしなことがまかり通り、様々な分野で、言葉に責任を持たない人たちが権力を握るいまのこの国です。しかし、自分の好きなように生きるのが詩人で、詩をつくるということはつまるところ自由が好きなのだと思います。

詩を読みたい方、聴きたい方、佐藤yuupopicさんのファンの方。どうぞどなたもお気軽にお越しくださいませ。

なお、この11年間、入場料を据え置きで運営してきた千葉詩亭ですが、今回から入場料を500円値上げさせて頂きました。

アルコール類、食品原価の値上がりに伴い、健全にイベントを運営し、ゲストにきちんとした報酬を還元し続けるため、この選択をさせて頂きました。どうぞご理解を頂ければ幸いです。

TREASURE RIVER BOOK CAFEにてお待ち申し上げております。

2022年8月1日月曜日

桑原滝弥自伝詩集『詩人失格』

 


死んでしまいたいと思ったことのない人がいるとは思えない。

自分はなぜ生まれてきたのだろうと思ったことのない人がいるとは思えない。

誰かを殺したいと一瞬でも思ったことのない人がいるとは思えない。

だが、人は生きる。人は生まれ、いつか死ぬ。ある人は長い時間を生き、ある人は短い時間を生きる。

夢はかなうというのは嘘だ。夢をかなえた人がいるというだけだ。

努力は報われるというのは嘘だ。報われることもあるというだけだ。

祈りは届くというのは嘘だ。稀にしか届かないからこそ、人は祈るしかないのだ。

しかしそれでも多くの人は夢を見る。祈り、努力さえする。希望と絶望の間を行き来しつつ、何か良いもの、あるいは悪いものを選びとっていると感じることもある。何かに選ばれていると感じることもある。自己と世界との間で、目に見えるもの、触れるもののひずみ、歪み、ずれ、尖り、丸み、ささくれ、奇妙な輝き、といったものたちがなければ、人類はその歴史の中で、詩というものの存在に気づくことはなかっただろう。たいていの場合、詩は、自己と世界との間の闇の中で、私たちの服の裾を後ろから指でつまんでたたずんでいるのだ。

桑原滝弥自伝詩集『詩人失格』は、暖かさと恐怖に満ちた本だ。人というものの姿に迫った本だ。

事実の強度の水準が完全に破綻しているにもかかわらず、なぜかどうしようもないほど明るく楽しい自伝部分。一方で、こんなに平易で読みやすいのに、読み手を「ひとり」にしてしまう、自分以外誰もいない真っ暗な野原に響く鐘のように言葉が胸を打つ詩作品。

だが、交互にしたためられたそれらは、結局のところ全てが詩だ。『詩人失格』は、この一冊に書かれていることの全て、そして書かれていないことの全てをもって、一篇の詩をなしている。

詩とは本当は何なのか。詩人とは何なのか。その答えは誰にもわからないのかもしれない。だが、詩はそこにあるし、詩人はそこにいる。

この世界に生まれ、いつの日か死んでいく全ての人に、この本を薦めたい。

なぜならこの本は、詩の本だからだ。全ての人が生まれ、生き、死んでいくことに関係のある本だからだ。

桑原滝弥自伝詩集『詩人失格』
私誌東京
定価2000円+税
ISBN-10 ‏ : ‎ 4909798161
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4909798169











2022年6月12日日曜日

6月19日「千葉詩亭・第七十三回」

気がつけば第一回を開催してから12年半ほど経つ、偶数月の第三日曜にTREASURE RIVER BOOK CAFEで恒例、千葉の詩の朗読のオープンマイク・千葉詩亭。

べつだん、崇高な使命感があったわけでも根性で継続してきたわけでもなく、思い返せば、ただただ、楽しいからやってきたというところがあります。千葉で詩の朗読に触れられる場所をひとつ、残しておきたい。その気持ちは常に片隅にありましたが、基本的に、詩というのは素敵なもので、詩の朗読というのはとても良いものです。この間、「イベント運営の上での苦労は」と訊かれましたが、こと千葉詩亭に関する限り、苦労というほどのものは何もありませんでした。集ってくださる皆様のおかげです。

そんなこんなで、6月19日で73回目の開催となります。今回のゲストには、今年のポエトリースラムW杯日本代表、先月、パリで開催されたW杯で準決勝に進出してきたばかりの、コオリヒロノブさんをお迎えいたしました。

私自身がポエトリースラムW杯に出場したのは、もう6年前のことになります。

コオリさんのお土産話が楽しみです。そして、朗読はもっと楽しみです。

詩を聴きたい方も読みたい方も、オープンマイク参加希望の方も、参加せずに観覧したい方も。どうぞどなたもお気軽にお越しください。

心よりお待ち申し上げております。




2022年5月30日月曜日

「三国詩」から。

5月28日、二子玉川ジェミニシアターでの 「三国詩 ポエトリースラム頂上決戦」。

ご来場頂いた皆様、お心にかけて頂いた皆様、本当にありがとうございました。

お客様でいっぱいの会場をステージから眺めたのはいつ以来だったでしょうか。

今回のイベントにあたっては、目に見える形で、目に見えない形で、数えきれないほどの方に、非常に様々なお力添えを頂きました。そのどれ一つとして欠けてもこの夜はなかったと思います。

石渡紀美、中内こもる、大島健夫の3人で、3分5ラウンド、全力でスラムを行いました。そして優勝は中内こもるさんでした。おめでとうございます‼️

ポエトリースラムは詩のほんの一部分です。しかし、そのスラムでしか伝えられないものがあります。このスラムを通じて、ご覧になった方、関わってくださった方に詩の魅力を少しでも感じて頂けたなら幸せです。

この企画は、始まりだと私は考えています。

詩、ポエトリーリーディング、ポエトリースラム。それらの素晴らしいものと、詩やポエトリーリーディングやポエトリースラムを、人生の中で我知らず必要としているに人との接点となるために、これからも新たな挑戦を続けてまいります。

改めて、ありがとうございました。













2022年5月17日火曜日

「身近な生物のきもち」発売です!

一昨年の「外来生物のきもち」、昨年の「希少生物のきもち」に続き、このたび「きもち」シリーズの第三弾、「身近な生物のきもち」が、メイツ出版より発売の運びとなりました。

来週には店頭でもお求め頂けそうですが、既にAmazonその他でご予約可能です。是非、お手元に置いて頂けましたら幸せに存じます。

今回は、タイトル通り、ネズミやゴキブリ、カラスなどをはじめ38種類の人間の生活に身近ないきものを取り上げています。「外来生物のきもち」ではカミツキガメが、「希少生物のきもち」ではコウノトリが進行役でしたが、今回の進行役のいきものはタヌキです。いきものの世界に、人間といきもののかかわりに、より興味を持って頂くきっかけの一つとなることができましたらと願っております。

表紙のタヌキ、かわいいですね。

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「希少生物のきもち」「外来生物のきもち」も絶賛発売中です。全国書店にてご購入・ご注文頂けます。



ISBN 9784780424768
C2045
定価 本体1700円+税

Amazonで購入→○
楽天ブックスで購入→○
紀伊国屋書店ウェブストアで購入→○



ISBN 9784780423365
C2045
定価 本体1600円+税

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2022年5月15日日曜日

5月28日「三国詩 ~ポエトリースラム頂上決戦~」

 2022年5月28日土曜日。二子玉川のGEMINI Theaterにて、「三国詩 ~ポエトリースラム頂上決戦~」というイベントに出演いたします。


1984年、シカゴでマーク・スミスが創始したとされる、自作詩の朗読競技会、ポエトリースラム。

詩の朗読というのは、詩の魅力のほんの一部分であり、その朗読に点数をつけて戦うということは、さらにそのほんの一部分です。私が参加した時のポエトリースラムW杯では、競技は「Best poet never win!」という言葉の唱和から始まりました。勝ったものが優れているのではなく、負けたものが劣っているわけでもありません。

しかし、そのポエトリースラムでしか伝えられない詩の魅力というのもまた存在すると思います。それは、私が詩とかかわり始めたきっかけが「詩のボクシング」であったからそう思うのかもしれません。

今回、石渡紀美さん、中内こもるさんとともに、3分×5ラウンドのスラムを行うことを通じて、ポエトリースラムの素晴らしさ、詩の素晴らしさを多くの方にお伝えしたいと願っております。

今回の企画に関して、詳しくはこちらの公式サイトをご覧頂きたいのですが、とりわけ、先日、4月23日に開催されたプレイベントでの、出演者の3人に、MCのさいとういんこさん、URAOCBさんを加えた5人によるトークレポについては是非お読み頂きたいと思います。勝ち負けをつけるというのは残酷で下品な行為です。しかし同時に、勝ち負けがあることというのは弱者の希望でもあります。

皆様が一生忘れられないような、良いスラムをいたします。

ご予約はこちらから承っております。ご来場を心からお待ち申し上げております。