1月19日、13週目となる「火曜日の詩」を公開しました。
先週に引き続き、今回も新作を朗読しています。「あなたが踊っている」という詩です。
鶴さんの葬儀に参列した際に浮かんだイメージからそのまま書いたのがこの詩です。
訃報を聞いた時、もちろん悲しかったし、とても辛かったです。しかし、なぜなのでしょうか、葬儀から帰った時、不思議に気持ちが落ち着いてしまいました。
鶴さんは今どこにいるのかわかりませんが、自由に、楽しく旅していればいいなと思います。
前回に引き続き、YouTubeの字幕ボタン(CCボタン)で字幕をご覧いただけます。
テキスト全文はこちらです。
「あなたが踊っている」
カーテンが揺れ、
あなたが踊りながら入ってくるのが見える
あなたは上手から下手へ踊ってゆく
音もなく、匂いもなく、質感もなく
ただ、軽やかさだけを身にまとい
自由に
自由に
わたしは座っている
あなたは踊っている
わたしの肌は温かいが、あなたには肌も温度もない
あなたのかけらは透明すぎて、わたしにはつかまえることができない
あなたとともに踊ることができず
あなたがわたしの隣に座るのを待つこともできず
ただわたしは座っている
あなたはわたしの前で踊っている
あなたが何を教えてくれたのか忘れてしまった
あなたから何を学んだのか思い出せない
あなたは踊りながら遠ざかる
あなたと出会わない人生がどんなだったのか、わたしにはわからない
あなたのようなひとは、どこにもいなかった
カーテンはもう揺れない
あなたがどこで踊っているのか、わたしには見えない
重みだけがわたしの体に残されている
わたしはそれを抱いて座っている
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