2021年1月27日水曜日

火曜日の詩「お父さんは仕事に出かけた」を公開しました

家から出なくても、一人で書いたり読んだり楽しんだりできるのが詩のいいところ。今週も「火曜日の詩」を更新しました。これで14週目になります。今回は「お父さんは仕事に出かけた」という詩を朗読しています。


2017年に書いた詩です。YouTubeの字幕ボタンでテキストをご覧頂けます。テキスト全文は、「ポエトリースラムジャパン2017秋大会ファイナリスト・アンソロジー」に収録されています。

私は詩を書くとだいたい、どんな気持ちでどうやって書いたのかすぐ忘れてしまうたちです。こんな依頼があった時、とかその程度のことしか覚えていません。この詩を書いた時のこともよく思い出せません。

でも、詩を書き上げたあと天井を見ると、たまに少しだけ部屋が拡がって、血管の中で酸素が流れるような感じがします。そういう感じは自分の中に蓄積していきます。

読んでくださる方、聴いてくださる方が、その時間、普段生きている日常とは違う世界に、ほんの少しでも浸かって下さったら、それに勝る幸せはありません。

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※メイツ出版より、「外来生物のきもち」発売中です。全国書店にてご購入・ご注文頂けます。


ISBN 9784780423365
C2045
定価 本体1600円+税

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2021年1月21日木曜日

2月21日「千葉詩亭・第六十七回」

13年目に入った、千葉の詩のオープンマイク・千葉詩亭。2021年最初の開催は、2月21日(日)の「第六十七回」です。

予断を許さない状況下ですが、できる限りの感染対策のもと、リアルでの開催を予定しています。ゲストにお迎えしているのは、猫道一家の猫道さんです。

猫道さんとは、5年ごとにゲストにお迎えするという契約を締結しており、これまでに2010年、2015年とゲスト出演して頂きました。2020年はコロナ禍で開催された回自体が少なかったこともあり、1年遅れての出演となります。

皆様と詩の時間をともにできますことを楽しみにしております。

☆☆☆

千葉詩亭・第六十七回

2021年2月21日(日)・千葉 TREASURE RIVER BOOK CAFE

17時30分開場/18時開演・入場料1000円(1ドリンク付)または2000円(1ドリンクとお食事付)

▽主催・出演
山口勲/大島健夫

スペシャルゲスト・猫道

◎オープンマイクは1名あたり制限時間5分


入口で検温及び手指の消毒を実施します。また、ご来場の際はマスクの着用をお願いします。  

人数把握のため、できる限りご予約下さい。メール以外でも、私にコンタクトを直接とれる方法なら何でも受け付けます。

まことに恐縮ですが、体調の優れない方はご来場をご遠慮ください。検温の際、37.5℃以上の方、検温、消毒にご協力いただけない方にも入場をご遠慮頂きます。

変更等がございましたら、随時アナウンスいたします。

どうぞ皆様の毎日が実りあるものでありますように。

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2021年1月20日水曜日

火曜日の詩「あなたが踊っている」を公開しました

1月19日、13週目となる「火曜日の詩」を公開しました。

先週に引き続き、今回も新作を朗読しています。「あなたが踊っている」という詩です。


鶴さんの葬儀に参列した際に浮かんだイメージからそのまま書いたのがこの詩です。

訃報を聞いた時、もちろん悲しかったし、とても辛かったです。しかし、なぜなのでしょうか、葬儀から帰った時、不思議に気持ちが落ち着いてしまいました。

鶴さんは今どこにいるのかわかりませんが、自由に、楽しく旅していればいいなと思います。

前回に引き続き、YouTubeの字幕ボタン(CCボタン)で字幕をご覧いただけます。



テキスト全文はこちらです。

   「あなたが踊っている」

カーテンが揺れ、
あなたが踊りながら入ってくるのが見える
あなたは上手から下手へ踊ってゆく
音もなく、匂いもなく、質感もなく
ただ、軽やかさだけを身にまとい
自由に
自由に

わたしは座っている
あなたは踊っている
わたしの肌は温かいが、あなたには肌も温度もない
あなたのかけらは透明すぎて、わたしにはつかまえることができない
あなたとともに踊ることができず
あなたがわたしの隣に座るのを待つこともできず
ただわたしは座っている
あなたはわたしの前で踊っている

あなたが何を教えてくれたのか忘れてしまった
あなたから何を学んだのか思い出せない
あなたは踊りながら遠ざかる
あなたと出会わない人生がどんなだったのか、わたしにはわからない
あなたのようなひとは、どこにもいなかった

カーテンはもう揺れない
あなたがどこで踊っているのか、わたしには見えない
重みだけがわたしの体に残されている
わたしはそれを抱いて座っている

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2021年1月13日水曜日

火曜日の詩「朝の光」を公開しました

1月12日、12回目の「火曜日の詩」を公開しました。

今回は、新作「朝の光」を朗読しています。コロナ禍の中、多くの人がそうだと思いますが、私自身の生活も以前とは違うものなっています。このところ感じていること、考えたことを詩にしてみました。

今回から、字幕でテキストを見られるようにいたしました。YouTubeの字幕ボタン(CCボタン)で字幕をご覧いただけます。



テキスト全文はこちらです。

   「朝の光」

朝の光がカーテンを揺らす
この光が、昨日の光とどんなふうに違うかを考える
すぐに気づく、昨日のことをもう覚えていないことに
明日の光はどんなだろうと想像しようとする
しかしいま世界を満たすのはただ、今日の光だけだ

隣の街も朝の光で満たされている
街と街の間の野原も朝の光でいっぱいだ
進むものよ、本当に自分で決めたなら
とどまるものより勇敢だと思うな
とどまるものよ、本当に自分で決めたなら
進むものよりも賢いと思うな
誰とも比べる必要はない、あなたたちは勇敢で賢い
自分自身でそれを決めたのだから

この朝の光の中に六十億の嘘が漂っている
その後ろに真実が六十億と
嘘と真実が合わさったものにやさしさや欲望を振りかけた何かが六十億ずつ燃えている
今日もまた誰かが死ぬ
あなたとつながって、あるいはつながらず
その数だけがニュースになって
だが彼らは数字ではなく
この朝の光が訪れるまで生き続けたひとつひとつの命だった
今日もまた誰かが生まれる
あなたとつながって、あるいはつながらず
その数さえもニュースにならず
だが彼らは数字ではなく
新しい朝へと生きてゆくひとつひとつの命だ
わたしたちもいつかのある日にそんなふうに生まれた

この朝の光の中で
あなたが吸って吐く息のことを思う
あなたの心をかすめる稲妻を
あなたの魂に降る雨を思う
あなたのドアとわたしのドアの間を
はした金と罰と、開かれることのない祭りのチラシが流れてゆく
いま、手をつなぐことができないなら
このことだけは伝えさせてください
あなたが好きです
わたしたちの言葉は数字にはなりませんが
わたしたちの命のそばで、立ったり座ったりすることはできます

カーテンは朝の光に揺れている
ここはただの朝の光の中だ
これまでもここにもそこにもあそこにもあった
初めて訪れる朝の光の中だ

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2021年1月6日水曜日

火曜日の詩「自動ぬか漬けマシン」を公開しました。

新年おめでとうございます。

本当に色々あった2020年でした。言うまでもないコロナ禍で海外に招聘されていた話は消え、イベントもどんどん中止。一方でいきものの本を出したりもしました。

年末年始はどこにも行かず、妻と二人で家でゆっくり過ごしました。

正月三が日というもの、寝て起きて料理をしてお酒を飲んでまた寝て、というのを繰り返していた気がします。おかげで何はともあれ体はリフレッシュできました。

今年も「火曜日の詩」はコツコツ続けてまいります。

2021年最初にお届けするのは、「自動ぬか漬けマシン」という詩です。


2014年ごろに書いた詩です。例によって、その時何を考えて書いたのかは全然覚えていません・・・。2015年にリリースした朗読アルバム「最初に君と出会ったのは、」に収録しています。

最近、いままで以上にいつも詩のことを考えています。

2021年、皆様にとって、どのような意味であれ、良いものがある年となりますように。

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