熱いほどの陽射しが照りつける広島平和公園。桑原滝弥さん、向坂くじらさんと合流し、広島国際会議場にて、"2018国際平和のための世界経済人会議"アフターパフォーマンス『そして、詩があふれて』に出演いたしました。桑原さんは既に前日、この会議のセッション4:『アートによる社会への働きかけを通じた平和の実現』に登壇されています。
詩の言葉。
詩の声。
詩で伝えること。
詩でなければ伝わらないこと。
自らの内面と外の世界の間にある詩。
ステージで朗読させて頂くことを通して、リアルタイムで「詩」というものと向き合わされるように感じられる、力強い体験をさせて頂きました。お聴き頂いた皆様、そしてこの場を作ってくださった全ての皆様に、深く感謝申し上げます。
イベント後に広島の街で見たもの、そしてお会いした方々とのお話の一つ一つも心に刻まれています。本当に忘れがたいものでした。
翌7日は、桑原さん、向坂さんとともに、西日本豪雨被害の仮設住宅で公演をさせて頂きました。
(控室は海。桑原さん、向坂さん、お二人と旅ができ、お二人の詩を間近で見ることのできた私は幸せです。)
首都圏にいると、受けとるニュースというものは、どうしても首都圏居住者としてのフィルターのかかったものになりがちです。今回、広島行きにあたって、少しでも関心のある方のお気持ちとともに向かいたく、私も自分の主催イベントで活動支援金を募らせて頂きました。募金して下さった皆様にも心より御礼申し上げます。また、イベントでも改めてご報告を申し上げますがねいずれにせよ、西日本の豪雨被害により、多数の方が大変な思いをなさっている、という報道はみんなが目にし、耳にしても、しばらく日数が経ったのち、その状況を後追いする報道には、意識的にアクセスしなければ接することができません。しかし、実際の被災地には、今もなお、仮設住宅に暮らし、以前の暮らしとは違う生活をなさっている皆様が大勢いらっしゃいます。そして、言うまでもないことですが、そうした皆様は、同じ人などいるわけがなく、一人ひとり独立した人格を持ち、それぞれの人生を歩んでこられた、熱く血の通う存在です。
明るい海に面した集会所で、私たち三人の前にお座りくださった皆様には、このような表現は失礼にあたるかもしれませんが、生き物としての、そして人間としての一筋縄ではいかないエネルギーが漲っていました。笑顔も、握手した手も、全てが強く、しなやかでした。パフォーマンスを通して、何かを交換し合うような瞬間の連続であったように思います。
たった二日が二ヶ月のようにも感じられる、今回の広島旅でした。そして、この7日の夜にも、詩を通じた深い出会いがありました。そのこともとても嬉しかったです。
この地球には何十億という人間がいます。その中で、今この時、地上にいてほんのわずかなものを共有し、あるいは共有せず、いずれは消えてゆく私たちです。
詩を通じて出会えたこと、そして出会えること。そこには当たり前のものなど何一つなく、様々なものを費やしてくださる誰か、あるいは何かも存在が無数に絡まってたったひとつの場面が生まれているのだと思います。一体自分に何ができるのか。自分という存在が自分のものでなくなる時に何ができるのか。
まだ来ない明日を前に、二度と戻らない今日の終わりに。
ありがとうございました。
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