2018年5月9日水曜日

モントリオールから渋谷へ

前回の日記の続きです。なかなか現実に追いつかない程度のスピードで書き綴っております。モントリオール時間の4月29日朝6時、トルドー空港をあとにしてデルタ航空で帰国の途につきました。

ミネアポリスで羽田行きに乗り換えると、機内はガラガラです。ゴールデンウィークの初めに帰国するというのはこういうことなんですね。手足を伸ばして大変快適に帰ってきました。日本に着くと30日の午後になっておりましたが、あまりにも時差があり過ぎて時差ボケにもなりません。ただ、涼しいモントリオールからいきなり摂氏23度の東京に降り立ち、「おえー、暑い」と思いました。

家には帰らず、スーツケースをゴロゴロ引きずって渋谷クロコダイルへ。この夜は谷川俊太郎トリビュートLIVE『俊読』に出演です。最後にシャワーを浴びてから20時間以上。自分が異臭を放っているのがわかったので、リハの前に急いで着替えました。

『俊読』に出演させて頂くのは、2016年に続いて二度目です。

この二年間で、自分自身の、詩に対する感じ方や味覚のようなものはずいぶん変わったと思います。いろんな経験をしましたが、詩、というものについて考えない日は一日もありませんでした。今日、たったいまこの時点での思いとともに、谷川俊太郎作『なつのゆきだるま』『にじ』、そして自作の『何もしない男』の3つの詩を朗読しました。

『俊読』に出演するということは、ある意味で、たった一発の弾を込めたピストルを手にしてステージに上がる、というようなことでもあります。いつ、どこで、どこへ向かってどう撃つのか。撃つのか撃たないのか。

一人ひとりの共演者の皆さんの姿に、そして、今もなお光の速さで進み続けている谷川俊太郎さんの背中に、心を打たれるものがありました。詩を書いて朗読を続けるということは、降りることのない山登りのようなものなのかもしれません。

家に帰った時、4月は終って5月になっていました。

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